鉄骨やコンクリートで作られた桁橋は、上から車の荷重がかかることでたわみが発生し部材の上側には圧縮力が、下側には引張力が作用します。

vol.4 <延性材料と脆性材料>でも述べたように、圧縮力と引張力は二面性があり、どちらも兼ね備えた材料はありません。

そこで、台形にカットし石を並べて作ったのがアーチ橋です。
石は圧縮力に強く、橋を上に凸の形状にし、台形の斜辺部同士で支え合うことにより、アーチ部材の断面にはほぼ一様な圧縮力がかかります。

また、弓なりの形にしているため、たわみにも強く、材料の特性を生かした構造になっているのです。

竣工時に設計者が橋の下に立って、身をもって安全を証明していた時代もあるそうですよ。