伸縮装置によく使われるゴムですが、皆さんは「どうして伸び縮みするのか」考えたことがありますか。

今回はこのゴムに焦点を当てて、解説していきましょう。
ゴムは伸び縮みしても元の形に戻ろうとする性質があります。これを弾性といいます。

ゴムの強い弾性の秘密は構造にありました。
天然ゴムに含まれているポリイソプレンを例に見てみましょう。

下の図はどちらもポリイソプレンですが、天然ゴムの主成分は上のシス型です。

シス型
シス型
トランス型
トランス型

シス型は鎖が折れ曲がったように不規則な形をしており、他の分子と並んでも隙間ができるため、ある程度自由に動けます。

一方のトランス型は直線的な形で、他の分子と規則正しく並ぶと型にはまったように固定されます。

シス型は引き延ばすと一時的に直線的な形になりますが、分子を固定する力が弱く、常温でも常に蛇のように運動しているため、元の形に戻ろうとします。

これが弾性の正体です。
また、分子を固定する力が硬さに影響し、シス型はゴムのように柔らかく、トランス型は樹皮のように硬くなるわけです。

柔軟に形を変えることのできるゴムは、私たちの生活になくてはならない存在ですね。

※クロロプレンゴムはトランス型です。