材料には、鉄のように延性に富む材料や、コンクリートのようにほとんど塑性変形をしないで破壊する脆性的な材料があると前回述べました。
ではこの特性の違う二つの材料について、変形のメカニズムを見てみましょう。

上図のように材料を曲げてみると、下側は伸び(引っ張られ)上側は縮み(圧縮され)ます。
延性材料は変形域が広いので、上側が曲がっても下側が引きちぎられて折れるまでには猶予がありますが、脆性材料は上側の圧縮より先に下側が引張りにより破断してしまうのです。

言い換えれば、脆性材料は引張られるとすぐに壊れる反面、圧縮に強いというメリットがあり、また、引張りに強い延性材料は座屈しやすいという弱点を持っています。
ただし、座屈しやすいというのは必ずしも欠点ではなく、物を成型するうえでは曲げることも重要になってきます。

ちなみに、このような二種類の材料を合わせることで、互いの欠点を補い長所を活かした複合材料も生まれています。
例えば鉄筋コンクリートは、上で述べたように、粘り強い鉄と圧縮強度の高いコンクリートを組合わせで出来ています。

また、高い弾性率を有する炭素繊維やガラス繊維と、硬さと軽さを持つプラスチックを合わせたFRP(繊維強化プラスチック)もその一つです。
そういった意味では、鉄とゴムを合わせることで丈夫さと伸縮性を兼ね備えているハイブリッドジョイントも複合材料と言えるのかもしれませんね。

※ハイブリッドジョイントは複合材料ではなく製品です。