ハイブリッドジョイントの主要材料でもある鉄鋼材料ですが、みなさんは鉄と鋼の違いをご存じですか?

実は鋼とは、鉄と炭素の合金のことを指します。
硬いイメージの鉄ですが、不純物の全く入っていない純鉄は、金やアルミニウムくらいに柔らかくとても使い物になりません。

そこで炭素の出番です。

純鉄の原子構造
図1・純鉄の原子構造
鉄ー炭素の原子構造
図2・鉄ー炭素の原子構造

上図のように、純鉄は隙間が多くなっています。
物体の変形は分子の移動により起こりますので、隙間の多い純鉄はそれだけ動きやすく、柔らかい性質を持っています。

そこへ、鉄よりも小さい原子である炭素を入れてみます。すると隙間部分が埋まり、動きづらくなります。
さらに便利なことに、炭素の量を調整することで、柔らかい鋼(軟鋼)や硬い鋼(硬鋼)が簡単に出来るのです。

実際には、炭素の他に、マンガン、ケイ素(シリコン)、リン、硫黄なども入れて、粘り強く、強靭な鋼に変化させています。

ちなみに、SS400の400とは400MPaの強さ(1cm2あたり4tで引張った強さ)に耐えられるという意味で、工業用に作られている鋼は指定の強度が出るように、厳しく管理されて作られています。

ハイブリッドジョイントの製品検査書にも、鉄鋼の強度が記載されております。