2024年4月1日発刊の「橋梁通信」に、
当社の吉田技術顧問による「外国人研修生向けに橋梁の講義」の記事を掲載いただきました。
記事の内容をブログにも掲載いたします。ぜひご覧ください。
途上国の研修生 橋梁耐震など学ぶ
「日本での経験 自国で役立てたい」
建築研究所・国際地震工学センター
国立研究開発法人・建築研究所(茨城県つくば市、澤地孝男理事長)の国際地震工学センター(芝崎文一郎センター長)は3月14日、外国人研修生向けに地震工学や橋梁の耐震などを講義した。
研修は政府開発援助(ODA)プログラムの一環として、同研究所と国際協力機構(JICA))が、途上国の政府・研究機関、大学職員を対象に実施している。
参加した研修生は、国際地震工学研修・地震工学コース(注)の5人。
アルジェリアの国立工科大学の若手研究者ハウアス・イスラムさん(23)、エルサルバドルの都市開発部門技術者ホセ・リカルドさん(31)、ペルーの日本・ペルーの地震防災センター研究助手ジョセフ・ダーウィンさん(30)、トルコのイスタンブール工科大学研究助手メルト・エユプギラルさん(33)、トルクメニスタン建設建築省専門官チャリエブ・ペルハットさん(39)。
橋梁の中の鋼橋については10余年前から、本州四国連絡橋公団(当時)の橋梁技術者だった吉田好孝さん(クリテックエ業顧問)が講師を務めている。鋼橋の基本構造や歴史的発展、大型プロジェクト、点検ロボットなどをテーマに、図や動画を使って英語で説明。鋼橋の特徴、優位性などは、研修生に質問しながら話した。
ペルハットさんは終了後、橋梁通信の取材に「日本で研修を受けられるサポート体制に感謝している」と強調。他の人も「日本で学んだことを自国に持ち帰り、仲間とシェアしたい」と口をそろえた。
芝崎センター長は「研修修了生の多くは政府高官、国立研究所、大学の研究所など指導的立場で活躍している。質の高いインフラに貢献する人材育成を行う事業だ」と話した。
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この研修は、途上国での地震、津波災害を防止・軽減するため、1960年(昭和35年)に東京大学で開始。旧建設省の建築研究所国際地震工学部を経て、2001年に同センターヘ引き継がれた。05年10月開講の研修から、1年間で政策研究院大学と現在の建築研究所認定の修士号を取得できるようになった。
23年12月現在、研修修了者は105か国・地域の延べ2018人。
〈注〉基礎的分野(地震工学や構造解析、構造動力学、鋼構造などの各種耐震構造)から最新の応用分野(免震制振構造、性能設計)まで。講義、実習、視察・見学と体系的に実施される。今期は昨年10月から今年夏まで約1年間。橋梁の講義は毎年2日(1月と3月に1日ずつ)実施される。