2024年3月15日発刊の「橋梁通信」に、
2月24日に開通した「松山外環状道路空港線」の続編記事が掲載されました。
記事の内容をブログにも掲載させていただきます。ぜひご覧ください。


橋 2024年3月15日号
橋梁通信 2024年3月15日版

国道56号松山外環状道路空港線・余戸南IC付近
クリテック工業の伸縮装置を9か所に施工

(前号から続く)
国土交通省四国地方整備局の松山河川国道事務所が整備し、2月末に開通した国道56号松山外環状道路空港線・余戸南IC~東垣生IC間約2.4km(愛媛県松山市)。余戸南IC付近では、クリテック工業(東京都港区、若林勇二社長)の伸縮装置が9か所に施工された。

工期は昨年10月下旬から12月末と、この種のエ事としては長期になった。

今回は後付工法 舗装撤去から

伸縮装置の新設には先付と後付の各工法があり、今回は後付。施工箇所で舗装にカッターを入れて撤去する。鉄板やその下にある土のう、木材なども取り除き、箱抜き部を清掃して伸縮装置を設置するという流れだった。

例えば5mの短い箇所なら撤去と設置を1日でできるが、エ期短縮のため、縦長で142mの箇所は2分割で施工したので、71mを3日かけて撤去し、その後3日間で設置するという工程だった。

全部の鉄筋にさび止め

また、後打ちコンクリートは通常、白に近いグレーだが、今回は表面を黒に、との要望だった。これは四国地方で多いといわれる。打設後、コンクリートの表面に浮き上がってきた水分に黒粉を混ぜ、コンクリートを黒くしていった。

さび止めには気を使った。伸縮装置を設置すると、鉄筋がむき出しになるからだ。今回は同じ日に2か所のコンクリートを打設する工程を組んでおり、鉄筋むき出しの状態の時間が長いことがあったので、全部の鉄筋にさび止めを塗布した。

住宅街 騒音対策は万全

現場周辺は住宅街のため、騒音対策にも気を使った。作業音が大きいエアーブレーカーは使えず、低騒音の電動式ブレーカーで舗装を撤去したが、これはパワーが弱い。エアーブレーカーだと30分かからない作業が2~3時間かかった。

コンクリートをはつる時の飛散防止のためテントを張り、そのテントをさらに防音シートで囲うなど、対策を徹底したという。

施工管理に携わった同社の藤田憲吾さんは「段取りがすべてだと思った。事前の段取りと、現場に入ってからの確認。そして、次の日のための準備。1週間後にはどうなっているか、1ヶ月後には。工程はこれでいいのか、短縮できないか、という検討と確認の重要性がよく分かった」と振り返っている。(了)