2024年3月11日発刊の「橋梁新聞」に、工務部 藤田憲吾のインタビュー記事が掲載されました。
これは2月24日に開通した「松山外環状道路空港線」に関連したもので、余戸南IC周辺の施工管理の担当者にインタビューした記事になります。
当社社員の働きをどうぞご覧ください。


橋梁新聞 2024年3月11日版
橋梁新聞240311号掲載記事
「松山外環状道路空港線」開通記事に関連して掲載

クリテック工業 ハイブリッドジョイント 全国で展開
止水性・耐久性が高い評価

伸縮装置メーカーとして調査、設計、製造、販売、施工までを手掛けるクリテック工業。主力商品のハイブリッドジョイントはゴム技術と金属技術を融合させたゴム製ジョイントであり、止水性や耐久性が高く評価されている。この2月24日に開通した、松山外環状道路空港線・余戸南IC~東垣生IC間(事業者=四国地方整備局・松山河川国道事務所)では9ヶ所にハイブリッドジョイントを施工している。採用された3タイプのハイブリッドジョイントの合計は211mにおよぶ大型工事。約2ヵ月の長期にわたり施工管理を担当した同社工務部の藤田憲吾氏に聞いた。 (川村淳一)

――先月、一部開通した松山外環状道路空港線は大型工事だったそうですね

藤田 当社が余戸南地区で施工を担当した10カ所の伸縮装置設置工事のうち9ヵ所でハイブリッドジョイントを施工しました。
このジョイントは遊間や許容伸縮量によって、様々なタイプがあり、現場で使い分けていますが、今回は、縦目地のHSタイプ、歯型のLLタイプ、そして許容伸縮量が最大の3LⅡAタイプ、この3タイプを使い、合計211m(142m+50m+19m)となりました。

――具体的な施工について

藤田 昨年10月下旬から12月末にかけて完成しています。当社にとってはかなり長い工事です。
現場に入った時点で、既に舗装された状態だったので、いわゆる後付け工法になり、まず舗装などをはつり、撤去した後に、新たにジョイントを設置しました。

――特に困難な点、あるいは工夫したことは

藤田 まず、周辺には住宅があり、騒音対策は必須でした。特に舗装をはつる際には飛散防止を兼ねた防音テントを使いましたが、通常使うエアーブレーカーは作業音が大きいので使用せず、代わりに音が小さい電動式ブレーカーではつっています。エアーブレーカーなら、30分かからないはつりに2~3時間かかっています。これで工期がかなりきつくなっています。
一方、HSタイプを設置する際、142mの延長を2分割し、71m分の舗装を3日かけて一気に剥がし、さらに3日で設置工事をしました。5mずつ舗装撤去と設置を繰り返すのに比べ、一気に71mの設置はかなり困難な施工になりましたが、工期はかなり短縮できました。

――ほかには

藤田 許容伸縮量が最大で600㎜、遊間も1,230㎜まで可能な3LⅡAタイプは、ユニック車のクレーンでは吊り上げられないため、ラフタークレーンを使って吊り上げ設置しています。

――ハイブリッドジョイントのアピールとして

藤田 止水性や耐久性は当然ですが、構造がシンプルなため、現場に適した設計が可能なのは大きな利点ではないでしょうか。
またほかの製品ジョイントよりも製作期間が短いため、受注後、納品が早くなる点も評価されていると思います。

――最後に

藤田 これまで補修工事は数多く経験してきましたが、新設道路での工事は初めての経験でした。また様々な工種の施工業者が現場で働くため、いろいろな場面で協力が必要で、その点でもいい経験だったと感じています。
いずれにせよ、この松山外環状道路空港線の工事は当社でもトップクラスの大型工事でした。やりがいを感じると同時に施工前にきちんと段取りを組むこと、計画を練り上げておくことの重要性を改めて認識した現場でもあり、技術者として今後に繋がる現場だったと思います。

――ありがとうございました

橋梁新聞社川村氏から取材を受ける藤田
照れくさくも撮影に応じる藤田氏