こんにちは、工務部の石戸です。

今回は意外と知られていない(?)伸縮装置の種類についてご説明したいと思います。
お客様からは「伸縮装置はいろいろありすぎてよくわからない」とよく言われるのですが、大別すると3種類になります。

1つ目はフィンガージョイント
2つ目は埋設ジョイント
そして3つ目はそれ以外のジョイントです。

フィンガージョイントが鉄、埋設ジョイントが弾性合材、それ以外のジョイントがゴムと鉄を主部材にしていることから、材質による分類とも言えます。

フィンガージョイント

フィンガージョイントは主部材が鋼材で、桁の端部に直接取り付けられる伸縮装置です。
表面は櫛形あるいは歯型の構造となっています。

各鋼橋メーカーが製作するもので、比較的伸縮量・遊間の大きな橋に使用されます。
表面のフェースプレートが厚いため耐久性は高いですが、疲労状況が表面からはわからないため、定期的に超音波探査等を行う必要があります。

埋設ジョイント

アスファルトに似た弾性合材を表面に使用しており、舗装と連続していることから走行性が良いジョイントです。

伸縮性能はあまり高くないので、比較的伸縮量の小さい橋に使用されます。
繰り返しのたわみや振動に弱いため、鋼橋での使用は固定部でも避けた方が無難です。

それ以外のジョイント

フィンガージョイント、埋設ジョイントに当てはまらないジョイントはどのような形状であってもすべてこの分類になります。
(当社の製品もすべてこのタイプに分類されます。)

発注者により呼び名が異なり、「ゴムジョイント」と呼ばれたり「製品ジョイント」と呼ばれたり「簡易鋼製ジョイント」と呼ばれたりします。
積算上の単位が同じ(m)なので、この分類の中での製品変更は設計変更には当たらず、材料承認によって承諾されます。
全国で20~30社ほどのメーカーが製作していますが、見た目・構造は多種多様です。

いかがだったでしょうか。
伸縮装置の「よくわからない」イメージが払しょくされ、皆さんにとって少しでも馴染みやすくなっていればうれしく思います。