令和5年4月に入社した竹之内さんと澤井さんが、初めて現場を経験しました。
現場の様子や感想を、2人に9つの質問でインタビューしました。
現場を知って変わった今の心境とは!? ご覧ください。

Q1. 初めての現場ということで緊張や不安はなかったですか。

竹之内 信希(工務部所属/令和5年4月入社)

竹之内 先輩2人がいてくれたので、不安はあまりなかったです。普段は入れない夜の通行止めの高速道路とかに入れたのは、初めての体験でもあり、楽しかったですね。 

 橋の下には庄川という川が流れていて、ダムが近くにあるために、昼は湖のように見える壮大な場所でした。でも工事は夜間だったので、周りはもう真っ暗で何も見えませんでした。見えないおかげで逆に怖くなかったです(笑)。見えたら見えたで、橋は高いし、下は大きな川で多分怖かったと思います。  

 工事は5月末でしたが結構寒かったです。昼間は東京と同じぐらいかな?と感じる気温ですが、夜はぐっと気温が下がりました。現場が標高500mくらいのところなのと、橋なので風が強く吹き、なかなか大変でしたね。現場では冬ぐらいの厚着をしていました。 

飛越大橋(右)と庄川

澤井 私は緊張も不安もいろいろな意味でたくさんありました! 

 今回の現場は富山県の山の中。金沢からそこまで車での移動だったのですが、車は4台。人も4人。私も社用車を運転することになりました。 

 実は自動車免許を大学卒業前に取得したばかりで、取得後もそれほど運転する機会はなく、初めて誰も同乗せず1人での運転。知らない町で、教習以来の高速道路。大変緊張しました。竹之内さんが前を走っていて、私が遅れると気遣ってスピードを落としてくれたのが、大変心強かったです。 

 もう一つ不安だったのは、職人さんは厳しいというイメージがあり、その方たちと時間に制約のある中で施工というのはピリピリとした雰囲気になるのかと。そんな雰囲気の中でただの傍観者になってしまわないようにしたい。何もできない、何も得られないようなことになってしまったらどうしようといった不安感もありました。 

澤井 翼(工務部所属/令和5年4月入社)

Q2. 一日のスケジュールはどんな感じでしたか。

竹之内 夜間工事だったので、18時にホテルを出発。現場近くの高速道路のインターチェンジ料金場脇の待機所に18時半に到着。職人さん達と打合せや機材準備をして21時に待機所を出発して現場に向かいます。現場に付いたら21時半くらいから工事を開始しました。

 終わりは、日によって変わりましたが、だいたい早朝の3時か遅くて5時にホテルに着くというスケジュールでした。その後は各自工事の時間まで自由。私はほぼ寝ていましたが(笑)。先輩達は朝8時ぐらいに起きてご飯を食べていましたけど、私はもう起きられなかったので、昼過ぎまで寝て、朝食というか昼食を食べて、また寝ていました。

澤井 13時頃に夜の施工があるか連絡がきます。その時間までは部屋で自由にすごして良かったのですが、初めてなので時間に遅れないように準備していました。 

 竹之内さんの話のとおりのスケジュールなのですが、規制が始まって、高速道路内に一般車両がいなくなったら出発します。高速道路ですが、規制中の移動スピードは時速50kmと決められています。さらにあらゆる場所で、当社だけでなく他社の様々な工事が行われているため、その横を通過する時は最徐行となり時速10 km以下での通行となります。そのルールは非常に徹底されていて絶対に守るようにとの事で、10 km以下での走行も難しかったです。 

 1日目は大きなカッターのおかげで、比較的早めにその日の工程を終えたのですが、初日という事で工事や点検をしている箇所が多くて、ほとんどの場所を最徐行しながら帰るので、抜けだすまでに非常に時間がかかりました。3日経つと50 kmで走る区間が増えてきました。 

トラチョッキを着用し、いざ現場へ

Q3. 昼夜逆転の生活になることに対して戸惑いはなかったですか。

竹之内 学生時代、建築学科で設計課題をやっていた時は同じような生活していました。朝、陽が昇るぐらいまでやって、ちょっと寝て、また昼くらいに起きて課題をやる。そんな生活をしていたので、昼夜逆転はそこまで戸惑いはなかったですね。懐かしい気持ちでした。久しぶりに昼夜逆転の生活をしているなって。 

澤井 だいたい朝の4時すぎにホテルに帰ってきましたが、そのままシャワー浴びたりすると6時で朝食の時間になるので、終わりの方は朝食を食べてから寝ていましたが、最初の頃は眠くて朝食は食べずにお昼まで寝ていました。慣れるまで大変でした。 

Q4. 現場での役割はどんな業務でしたか。

火花が飛び散る現場

竹之内 橋下にある仮設のやぐらから橋下の監視をやっていました。橋の下までは、橋の脇の斜面を、張られているロープを持ちながら、登山のように下っていきました。真っ暗で足元も見えづらかったので怖かったです。 

 伸縮装置を大きなカッターで切断した時に火花が飛びます。鉄を切るため橋下に火花が落ちるので、橋下の樹々が燃えないか監視していました。ヘルメットもしていたし服も長袖を着ていたので熱くはなかったですけど、時々飛んでくる火花にヒヤヒヤしていました。 

 それから、機材等の片付けをして事故が起こらないように気を配っていました。工事の様子はよく見て、傍観者になるのではなく学ぶことに努めました。 

澤井 施工前の準備をしました。バルーンライトの設置や、職人さんの道具を準備。桁下養生部分に行って、橋の遊間に挟んだ木材が落下しないかの見張りや、カッターでの切断作業中は、火花で火災が起きないようハイウォッシャーで水まきを行うのですが、いざという時に水がまけない事がないようにハイウォッシャーのガソリンの補充を欠かさなかったです。終わった後には次の日に使う物の補充や準備も行いました。
 
 山の中での夜間工事なので、ライトに大きな蛾とかたくさん寄ってきて、私は虫が苦手でしたが、頑張って耐えました!  

ハイウォッシャーはいつでも使える状態に

Q5. 施工の現場や工事を経験して、感じた事は何ですか。 また、エピソードがあれば聞かせてください。 

竹之内 段取りが大事だなと感じました。今回は夜間通行止めの工事で、タイムリミットがありました。スケジュール通りにテキパキと進めないと、工事が遅れてしまいます。事前に綿密なスケジューリングと職人さん達との打ち合わせとか、事前準備が大事だなとすごく感じました。 

澤井 自分が普段使っている道や橋は、こうして昼夜問わず皆さんが守って下さっているおかげで安全が保たれているという事を目の当たりにし、それを自分も行っていくという事に改めてやりがいや社会貢献性を感じました。 

 先輩の山嵜さんや藤岡さんのテキパキと動き回っている姿を見て、すごいなと思いました。次に何をしたらいいのか、どう動いたらいいのかを分かっていて的確に動いていました。施工管理というのは監視しているだけかと思っていましたが、実際は職人さん達と話し合って動き回っているので、監視というより一緒につくり上げている感じがしてカッコよかったです。職人さん達の邪魔はせず、でもやらなくてはいけない仕事は完璧に行なって、とにかく物事がスムーズに運ぶように動いていたのが印象的です。  

Q6. 自社の商品が橋に設置されて、何か感じたことはありますか。

竹之内 もともと設置されている他社の伸縮装置を現場に入った時に見たら、結構ボロボロでここを車が通ったらガタガタでやばいだろうなと思いました。でも、工事で当社の新しい製品が入り、橋の生まれ変わった姿を見た時には「これだったら大丈夫だろう」と安心しました。当社のジョイントが設置されることによって橋の長寿命化にもつながるし、車に乗っている人たちの安全にもつながるのだなと実感できました。ジョイントを取り替える仕事は、この世の中には必要な仕事なのだなと改めて感じました。

澤井 当社の製品が設置されたことにより、以前よりも走りやすくなったと思ってくれたら嬉しいなと感じました。 

施工が完了した「ハイブリッドジョイント 3LIIA」

Q7. 研修で学んだ事と実際の現場で、違いや発見などは感じませんでしたか。 

竹之内 もともと設置されていたジョイントを切断し、周りのコンクリートを砕いて取り除いてジョイントを外す。新しいジョイントを取り付けて新しいコンクリートを流し込む。そういった一連の工事の流れは、研修で聞いていたので知っていました。 
 
 一方で、研修で学んだ工程の前後の事、どうやって現場まで行くのかだったり、終わった後の後処理だったり、そういったしなくてはならない事、だけど知らなかった事を実際に現場に行って知ることができました。むしろそちらの方が大事だと感じました。先ほども話しましたが、事前の打ち合わせや準備も必要です。夜間は道路を通行止めにして、朝には車が通るので、交通に影響を与えないように後処理をしないといけない。そういう事前準備と後処理の大切さを現場に行って実感しました。そこに研修との違いを感じました。 

澤井 研修で見た動画は10秒で終わる作業でも、実際の現場では何時間もかかっていたことが分かりました。斫り、コンクリートの打設など、大変に時間のかかる作業でした。また、現場に行くと破片が飛んでいるなどの状況も体感できました。 

Q8. 施工現場を経験し、やりがいや面白さなど、何か感じたことはありますか。あるいはこの仕事の大変なところは何でしょうか。  

竹之内 やはり、橋の長寿命化に貢献できる事。広い視野で見れば、日本の物流だったり、もっと言えば人々の暮らしの豊かさにも貢献している事にやりがいを感じました。 

 大変さは、責任が重いということです。工事の段取りや職人さんとのやり取り、工事中には円滑に工事が進むよう、先を読んで行動していかなければなりません。一つのミスが工事全体に影響を与えかねない。一方で、その責任の重さはやりがいの大きさにつながるとも思っています。ミスなく自分でできた時には、大きな喜びになるだろうなと思います。 

澤井 やりがいはもちろんありますが、それ以前に一番感じたのは大変さです。今回は同行という立場で学ばせていただいたのですが、それでも自分なりに考えて動いていたつもりです。中心になっていた山嵜さんを見ていると、いろいろな方々と打ち合わせや、定期的に電話をするなど、夜間の施工の時以外でも動かれていました。 

 公共事業なので、その報告のために写真が欠かせなくて、何工程もあるのを覚えていて、その都度撮影するという事を、夜間にも関わらず神経を張り巡らせて行っている姿を見て、大変さを感じました。自分が一人で現場を任せられるようになった時にそれができるのか。できるようになった時に面白さややりがいにつながっていくのかなと思いました。 

Q9. 施工現場を経験して、あらためて会社や仕事への抱負を聞かせてください。  

竹之内 現場に行って楽しかったですし、大変さもわかりました。自分でいつかは工事を担当してみたいと感じました。でもその前に自分で工事の契約を取らないといけないですね(笑)。今年中に契約を取って、自分で施工をやりたいと思っています。それに備えて、先輩の現場に同行して工事をもっと経験したいと思っています。そして、先輩に同行する際は傍観者になるのではなく、今度は「自分がやるんだぞ」ぐらいの気持ちでいこうかなと思っています。 

澤井 研修の時から覚える事の多さを感じていたのですが、現場を見て「できるだけ早く覚えよう、分からないことはしっかり聞こう」と思いました。分からない事をなくしていくことが、抱負かなと思います。
 
 現場に行ったら、何か気づいて次に活かせるような発見を持ち帰りたいです。飛越の後、第三京浜の工事に同行し、この道具は使うかなと予測が立てられました。小さな事ですが、現場に行った事で少しは成長できていると感じています。今後も現場に出ないと分からないことに気づいて見つけて帰ってきたいです。 

令和5年6月 管理部 水野、西里