1995年1月17日、兵庫県淡路島の北部を震源とした阪神・淡路大震災が発生しました。震度は6以上を記録し、現地は甚大な被害を受けました。私の生前に起きた出来事ですがその悲惨さは当時のニュース映像やメモリアルパークなどでわかります。

この地震で道路や橋も壊滅的な被害を受けました。その中でも一番印象的なのは阪神高速道路の神戸線です。橋脚の根元から折れ、倒壊したその姿はこの地震の恐ろしさを象徴しています。橋がこれほどの被害を受けた時、伸縮装置はどうなっていたのでしょうか。

被災した伸縮装置の現物
被災した伸縮装置の現物

上の写真は国道2号線浜手バイパスのそばにモニュメントとして設置されている被災した伸縮装置の現物です。下側のフィンガーが大きく歪んでいます。この伸縮装置が設置されていた桁同士が約3メートルずれ、このような形になりました。この写真だけでも橋にとてつもない力が加わったことがわかります。

阪神高速道路は30キロメートル以上の橋を復旧する必要がありました。過酷な状況下でこれまでよりも強い橋を造る。この命題をわずか623日で解決し、現在まで利用者に安全な道路を提供し続けています。

地震に負けない橋を造ることはこの先の日本を支えることに繋がると思います。我々も伸縮装置のメーカーとしてその橋造りに貢献できる製品を創り続けなければいけません。その想いを胸に努力していきたいと思います。

令和4年5月 工務部 藤田