2023年10月1日発刊の「橋梁通信」において、
当社吉田技術顧問の著書に、大江慎一・本州四国連絡高速道路参与が寄稿してくださいました。
記事の内容をブログにも掲載させていただきます。ぜひご覧ください。

大江参与、寄稿いただきありがとうございました。


橋梁通信 2023年10月1日版

「橋梁技術者が見たマレーシア」
吉田氏著書に大江氏が寄稿

吉田好孝氏「橋梁技術者が見たマレーシア—輝く入道雲の国の橋と人々、文化—」(橋梁通信社刊)に寄せられた大江慎一・本州四国連絡高速道路参与の「幸せな技術者人生の一端」を紹介する。

発刊に寄せて「幸せな技術者人生の一端」

吉田好孝さんは、昭和47年に本州四国連絡橋公団に就職され、大三島橋、多々羅大橋、伯方・大島大橋、及び明石海峡大橋で設計に携わられている。

瀬戸大橋では海峡部全般の工事に携わるなど、3ルートの主要な長大橋の建設を経験されている。

また、東京湾横断道路株式会社に4年間出向されており、橋梁部、川崎人工島及び木更津人工島(海ほたる)の技術検討などに従事され、完成に貢献されている。

維持管理では、因島大橋や生口橋などを管理する向島管理事務所の所長を約3年間務められた。平成17年に公団を退職され、当時の?道路保全技術センターや海洋架橋・橋梁調査会にて、橋梁保全の技術検討や橋梁点検の技術研修に関する業務に従事されている。

その経歴をみると、長大橋を始めとした橋梁の調査・設計から保全までひと通りを経験された稀有な技術者だと思う。

また、本州四国連絡橋と東京湾横断道路というビックプロジェクトにも関わられ、幸せな技術者人生であると想像され、うらやましくもある。

平成13年4月から2年間、JICA (当時の国際協力事業団)の橋梁専門家として、マレーシア国公共事業省公共事業総局橋梁部に、PC斜張橋の設計や建設の技術をマレーシア政府の技術者に伝えることを目的に派遣された。

先方からは、PC斜張橋以外にも日本の橋梁技術をいろいろと教えて欲しいと要望され、その経験を存分に活かされたことは、想像に難くない。本書は、その時期のことを書かれたものである。

マレーシアの道路橋事情はもちろんのこと、仕事と同僚のこと、マレーシアの人々との交流、マレーシアの社会のことなども含めて、吉田さんの視点で事細かく書かれている。

また、戦争の記憶として、太平洋戦争に対するマレーシア人の意識を知ることができる。

マレーシアに関して書かれた書籍の多くを知っている訳ではないが、これらの多くを知ることができる貴重なものと理解できる。

分かりやすい文章で書かれており、吉田さんの隠れた才能、文才に感心している。

この5月に神戸市でPIARC道路橋の点検、マネジメント、リハビリテーションに関する国際ワークショップが開催された。 その中でマレーシアから橋梁の維持管理マネジメントが報告された。吉田好孝さんの足跡が垣間見えた気がした。

「技衛者が見たマレーシア」には、吉田さんが訪れた現地の橋が昇華されている。 ディンディン橋(写真上)も、そのーつ。首都クアラルンプールの北方170kmの入り江に架かる。2001年に完成した13径間コンクリート上路アーチ橋。吉田さんは「構造的なバランスが良く、美しい」と評価する。アーチ支間長90.0m(最大スパン)は、船舶の航行を考慮して決められたという。

やはり同著で紹介されているスリ・サウジャナ橋(写真右)。新首都として開発中のプトラジャヤのランドマークになっている。
2002年に完成した斜張橋と下路アーチ橋の複合形式(支間長300m)で、吉田氏は世界で初めて構造はバスケットハンドルタイプ、桁を吊っている中央径間部は1面吊りだが塔後方のバックスステイは左右2方向に分かれるという「凝った設計」だ。

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吉田氏の「橋梁技術者が見たマレーシア—輝く入道雲の国の橋と人々、文化—」は、四六判511ページ。2500円+税・送料。 アマゾンで購入できる。



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