2025年1月1日発刊の「橋梁新聞」に、
「100年対応を疲労試験で証明」の記事が掲載されました。
100年対応の伸縮装置について、社長の若林がインタビューをうけました。
記事の内容をブログにも掲載させていただきます。ぜひご覧ください。

ハイブリッドジョイント 3LⅡ-500タイプ
100年対応を疲労試験で証明
伸縮装置の専門メーカーであるクリテック工業は主力商品であるハイブリッドジョイントの3LⅡ‐500タイプについて実物大疲労試験を実施、同製品が100年の耐久力を持つことを証明した。3LⅡ‐500は同社の製品ラインナップの内、NEXCO仕様の伸縮装置として最大級のもの。同社の代表取締役社長の若林勇二氏に聞く。
――まずハイブリッドジョイントについて
若林社長 当社のハイブリッドジョイントは止水シートにジャバラ状のゴムシートを用いて効果的に止水します。またファスナー方式でゴム止水シートを接続するため任意箇所での接続が可能、加えて表面の露出面積が小さいので走行時の衝撃が少なく低騒音で快適な走行性を実現します。
――3LⅡ‐500の特長は
若林 当社ではNEXCO仕様の合格品のラインナップを多数用意していますが、3LⅡ‐500はその中で最大級のものです。許容伸縮量500㎜、最大遊間は1,030㎜まで対応します。
――実物大疲労試験を行った理由は
若林 従来、伸縮装置は20~30年の耐久性と考えられてきました。疲労試験で耐用年数を確認することもあまりありませんでした。ただNEXCO仕様に合格するためには、伸縮量100㎜以上は疲労試験が必須でしたので、2015年に試験を実施しています。その時はNEXCOから30年の耐久力は証明してほしいと言われていましたので、まず30年対応の試験を行っています。ただこの時も載荷期間などを考えると50年の耐久力は十分あると考えていました。一方、50年対応を試験で証明した他社製品も出てきましたので、われわれも50年対応の疲労試験をきちんとした形で、それも最大級の製品で行おうと考えました。
――それを100年対応まで引き上げたのは
若林 当社製品は、金属疲労による損傷が発生しない構造で、仮に不具合が発生する場合でも後打ちコンクリート部分から壊れていきます。そうしたメンテナンスフリーを謳う以上、こちらも橋梁の設計供用期間の100年に合わせて、100年対応を証明してしまおうと考えたわけです。
――試験内容は
若林 (一社)日本建設機械施工協会・施工技術総合研究所で、500kN疲労試験機を用いて、載荷荷重が最大260kN(最小10kN)、載荷期間は昨年10月21日~11月25日です。実際には25日になっても製品そのものは壊れる気配はなく、そのまま壊れるまで続けることもできたのですが、さすがにこれ以上やることはないと区切りとしました。
――最後に
若林 先ほども申しましたが、ハイブリッドジョイントはメンテナンスフリーです。また、目視点検で十分なので規制を伴う打音点検などが不要、維持管理費を削減しLCCの低減にも効果が高い技術です。そうした点が評価され、2000年~24年11月末で全国の高速道路、一般道で延べ5万8895mの実績があります。
今後は発展著しい東南アジアのインフラ整備など海外での採用にも注力するとともに、国内の社会資本の老朽化対策などに引き続き貢献していきたいと考えています。
――ありがとうございました